北陸三大祭りの一つ「御車山祭」

福井県の「三国祭り」、富山県の「御車山祭」、そして石川県の「青柏祭」は、北陸三大祭りとして親しまれています。今回は富山県高岡市にある高岡関野神社で行われている「御車山祭」についてご紹介します。高岡御車山祭とも呼ばれるこの祭りは、高岡関野神社で春に行われている例大祭(春季例大祭)です。1588(天正16)年に豊臣秀吉が聚楽第(邸宅)へ、後陽成天皇と正親町上皇を迎え奉った際に用意した御所車を、加賀藩初代藩主である前田利家が拝領しそれを2代目藩主前田利長が高岡城を築く折に町民へと与えました。御車山は、その御所車に鉾を加えたもので、高岡の金工や漆工、染色の技術によって美しい装飾が施されており、たいへん華やかです。京都祇園際の山鉾行事などと並んで、国の重要有形文化財・無形民俗文化財の両方に指定されています。ユネスコ無形文化遺産にも2016年に登録されました。5月1日に毎年行われている御車山祭では、朝早くから組み立てが始まり、坂下町・通町・御馬出町など10ヶ町の山町から、7基の御車山がお祓い(修祓)を受けた後町内を曳き回され、片原町の交差点に勢揃いします。高岡の技術の粋を尽くした装飾が施された御車山が並ぶ様は圧巻で、一見の価値があるといえるでしょう。その後も、再び山町を奉曳され、夕方に高岡関野神社へ曳納されます。前日の4月30日には、ライトアップされて曳山獅子が披露されたり、調度品の展示などが行われるため、ゆっくりと御車山を見たいという方には、この宵祭もおすすめです。